こんにちは、いそべ行政書士事務所のいそたくです
すでにこの地方でも夏日をむかえていますので体調管理にはご留意ください
さて行政書士として相続や死後事務の相談を受ける中で
供養の形はもっと自由であっていいのではないかと感じることが増えてきました
名古屋は昔から家族のつながりを大切にする土地柄で
『墓じまいなどけしからん!(波平口調)』
と、お墓を守ることに責任を感じている方も多くいらっしゃいます
同時に、家族の形が変わり従来の供養のあり方に悩む方も確実に増えています
かつて日本の供養は家を中心に成り立っていました
寺請制度や檀家制度のもと、 お墓は家が代々続いていく証であり
供養は家を守るための行為でした
無縁仏は家を持たない人の象徴として扱われ供養の選択肢はほとんどありませんでした
しかし戦後、社会は大きく変わります
農民からサラリーマンへ、地方から都市へ
名古屋でも高度経済成長期に多くの人が市内へ移り住み核家族化が進みました
実家のお墓は遠くなり、家を継ぐという意識は静かに薄れていきました
供養は家の義務から個人の選択へと移り変わっていきます
この流れの中で、送骨・散骨・永代供養・手元供養そして0葬といった選べる供養が広がりました
経済的負担の軽減・継承者不在・宗教観の多様化・子どもに迷惑をかけたくないという価値観
さまざまな背景が重なり、 供養はより自由で、より個人に寄り添うものへと変わりつつあります
この地方でもお墓を守る人がいない
遠方の実家墓をどうすればいいか分からない…という相談が増えています
近年は、お墓を持たない供養の方法も広がっています
ご遺骨を専門業者が海や山へ散骨する「送骨」
儀式やお墓を持たずに見送る「0葬」
どちらも家族に負担をかけたくないという思いから生まれた選択肢です
参考までに世界には日本とはまったく違う供養の文化が存在します
「土葬」
多くの国では、火葬よりも土葬が一般的です
自然に還るという思想が根底にあり、イスラム教やユダヤ教では今も土葬が基本です
日本でも法律※では禁止されておらずごく一部では土葬が可能で本来は自然な埋葬方法でした
「鳥葬」
チベットでは、遺体を鳥に託し、天へ還すという独特の供養があります
身体は借り物であり、最後は生き物に還すという考え方が背景にあります
宗教と自然環境が重なって生まれた文化で、 死を恐れず、自然と共生する姿勢が感じられます
こうした世界の供養を知ると供養は本来もっと自由で多様でいいということに気づかされます
また最近の相談の中で
墓がなくてもいいのではないか
無縁仏になっても構わないという声も珍しくありません
形式にとらわれず自分らしい最期の迎え方を考える人が増えているのだと思います
名古屋の人は控えめで迷惑をかけたくないという気持ちが強いと言われます
その気質が、供養の自由化と静かに重なっているように感じます
墓があってもいい 墓がなくてもいい 送骨でも 0葬でもいい 無縁仏でもいい
大切なのは誰かがその人を思い出す時間があること
供養とは本来そのための行為なのだと思います
🪵当事務所の理念は「選択肢を知ることで人は安心できる」という考え方にあります
行政書士として、どの供養が正しいかを決めるのではなく、 その人に合った選択肢を丁寧に示し
家族の負担を軽くするお手伝いをすること
それが終活支援における私の役割だと考えています
供養の自由化が進むいま名古屋でも一人ひとりが自分らしい最後の形を選べる時代になりました
その選択を支え安心を届けることこそ、大切にしたい役目です
※墓地、埋葬等に関する法律(いわゆる「墓埋法」)は1948年に制定されました
その後16回の改正が行われていますが、その多くは他の法改正に伴う条文整理であり
法律の根本構造そのものは1948年の日本社会を前提にしたままです
そのため、現代の家族形態や価値観の変化、供養の多様化といった現実社会の動きに
まったく追いついていないのが実情です
もっとも、これは墓埋法に限った話ではありません
いまの社会変化のスピードがあまりに速く、法律が追随しきれない状況は各分野で見られます
ちなみに、この墓埋法は行政書士試験でも出題されたことがあり、実務においても知識が求められる重要な法律です


